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広島・デビッドソン 日米の違いに対応し、何よりの魅力を/助っ人たちのシーズンイン

 

なかなか調子の上がらないデビッドソンだが、開幕に向けて打席内で対応していく


 新外国人のマット・デビッドソンは、苦悩の真っただ中にいた。開幕まで残り1カ月を切った3月4、5日のオープン戦のソフトバンク戦(PayPayドーム)で2試合連続の2打席2三振。4打席のうち3打席は直球にバットが空を切った。「通常であれば真っすぐをしっかりたたける打者ではある。シーズンまで、まだ時間はある。自分の過去の経験則で修正して準備したい」とプライドをのぞかせながら、前を向いた。

 左足を大きく上げる独特のフォームが特徴だ。目の前に日米での投手のタイプの違いが大きな壁として立ちはだかる。「クイックモーションの速さもあるし、ワインドアップの場合も、少し間(ま)が長いということもある」。試合後には自身の打席の映像チェックは欠かさないという。1日でも早く対応するためには打席を重ねていくしかない。

 2017、18年にはメジャーで2年連続20本塁打を放ったが、その2年間はともにシーズン165三振と、もともと三振は少ないタイプではない。粗さはあるものの、長打力が何よりの魅力で、実際3月に入ってからのフリー打撃では全方向へサク越えを連発する姿が目立ち、長距離砲の片りんを随所にのぞかせる。新井貴浩監督も「まだ始まったばかりというか、始まってもいない」と意に介していない。

 ここまでの対外試合では主に五番に座る。チームには秋山翔吾西川龍馬坂倉将吾ら好打者が多い。来日2年目のマクブルームも、昨季チーム最多17本塁打からの上積みが期待される。新助っ人が実績どおりの長打力を発揮すれば、ライバル球団にこれ以上ない脅威を与える打線となる。

写真=湯浅芳昭
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