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中日・アキーノ バットを大切にする男/助っ人たちのシーズンイン

 


 待望のオープン戦第1号だった。新助っ人アキーノ外野手が2月26日の広島戦(北谷)の2回一死、2ストライクから広島先発・アンダーソンのカーブを振り抜いた。

 打った瞬間にサク越えと分かる弾丸ライナーが飛ぶ。左翼席後方にそびえ立つ高さ約10メートルの防球ネット最上段にズドン。自慢のパワーを見せつけた。

「完ぺきだった。とてもいい形で撃てたし、キャンプ最後をいい形で終えられた」

 中堅で大飛球の行方を見たメジャーでレッズ時代の同僚、広島・秋山翔吾は警戒感をあらわにした。「ああいう打球は出るなとは思ってました。相手としては嫌ですけど、あれだけ打つのは自分としても分かっていた」と表情を曇らせた。

 バットに名前を付けるひょうきんさがある。白色は「ブランキート」、黒色は「ボビーワンダー」と命名した。扱いは家族。素材はともにメープル。

「2種類のバットが6本ずつ手元にあって計12本、俺は13人目。大勢のファミリーなんだ」とニヤリ。「バットを大切にしないといけない。折れることだってある。そのときは、頑張ってくれたバットに対して感謝し『ありがとう』とお祈りするんだ」と口にする。

 立浪和義監督はオープン戦を通し、日本にいかに対応できるかをカギに見ている。「配球も変わると思うし、内にきた速い真っすぐをどう打てるか」と語る。キャンプ序盤は、顔が突っ込む癖の修正にも着手した。

 3月3、4日の侍ジャパンとの試合(バンテリン)でも2試合連続弾。17日の楽天との試合(バンテリン)ではオープン戦第3号。着々と日本野球に馴染んでいる。性格は真面目。アキーノ砲が炸裂した分だけ、竜は昇る。

写真=BBM
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