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日本ハム・今川優馬 杉谷氏を受け継ぐ新時代の「元気印」/わがチームのムードメーカー

 

元気な声とプレーでチームを鼓舞している


 新球場に、歓喜の“執念”がこだました。3月22日のソフトバンクとのオープン戦(エスコンF)の1回無死一塁。今川優馬が待望のアーチを描いた。左翼席へ、チームにとっての“エスコン1号”となる先制2ランを放った。その瞬間、一塁側ベンチのチームメートも人さし指を立てて、今川の代名詞「執念ポーズ」。もちろん本人も、気持ちよくダイヤモンドを1周してベンチへ戻ってくると、同ポーズで祝福に応えた。

 4月1日、開幕2戦目の楽天戦(エスコンF)では、1対1で迎えた7回裏、一死三塁の場面で代打として起用され、勝ち越しの適時打でチームを勢いづけた。その後、同点とされるも最後はサヨナラ勝利を収め、新球場の初勝利につながった。

 新時代の「元気印」は、この人しかいない。昨季限りで現役引退した杉谷拳士氏がプロ入り時に背負った「61番」を受け継いでいるのが、今川だ。ファンクラブ会員兼プロ野球選手という二足のわらじを履くからこそ、類いまれなムードメーカーだった杉谷氏をファン目線、後輩目線で見ることができた。その存在昨秋の杉谷氏の電撃引退を受けて「来年はより、杉谷さんの分も、2倍も3倍も声を出して盛り上げたいです」と宣言。今季も春季キャンプからアマ時代から変わらない元気な声でチームを鼓舞し続けている。

 そんな気持ちの熱さと明るさは、もはやチームに欠かせない。北海道出身のスラッガーが目指すのは不動の外野レギュラーだが、社会人出身の3年目としては「立場的にもチャンスが少ないと分かっている。その少ないチャンスで結果を残せるように」と、自覚する。そんな激しい外野争いは、シーズン開幕後も続いていきそうだ。チームを声だけでなくプレーでも盛り上げ、元気よく引っ張る姿をファンも待っている。

写真=BBM
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