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ロッテ・唐川侑己 地元の星、恩返しの一年に/地元愛を胸に

 


 唐川侑己は地元のスターだ。千葉・成田市出身で成田高に進み、2008年にロッテに入団。千葉一筋で歩み、今季で16年目。「高校生で入れてもらって、ここまでやらせてもらっているチーム。一番は、応援してくれる人に『応援して良かった』と思ってもらえるように」。恩返しの気持ちが原動力になる。

 21年まで3年連続で30試合以上に登板していたが、昨季は17試合にとどまった。右膝のケガが長引き、実戦復帰は6月。一軍でのシーズン初登板も8月までずれ込んだ。日々もどかしさを感じていたといい、「一軍の試合を見ていたら、一軍の選手はカッコいい。やっぱりファームにいたら、暇なんですよね」。チームの戦力として投げ続けることが仕事。自らの役割を再認識した。

 再起を懸け、体の細部にまで例年以上に気を遣った。昨季は8月の昇格後は安定した投球を続けたが、9月に3試合連続で被弾。疲労がたまった最終盤に精彩を欠いた。体のズレを直せず、満足いく状態で投げられなかったと分析し、「股関節、骨盤や膝の向き。細かいところでトラブルが起きたので、そこの調整にフォーカスした」。春季キャンプではブルペンで、一球一球確かめながら黙々と投げ込んだ。

 プロ入りから15年連続勝利を継続中。「おまけみたいなところがある」と自身の白星については話すも、「チームの勝ちに貢献したいのが素直な気持ち。みんなでリーグ優勝、日本一という目標がある。そのためのピースとして頑張りたい」。待望の一軍初登板は4月16日のオリックス戦(ZOZOマリン)。19日の日本ハム戦(エスコンF)では今季初ホールドもマークした。地元に、歓喜を手繰り寄せる。

写真=高塩隆
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