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広島・小園海斗 汚名返上で再びレギュラーの座を/“春の誤算”喜怒哀楽

 

二軍再調整中の小園。レギュラー奪取へ、やるべきことは多い


 迷いなく二塁ベースを蹴って三塁を陥れた小園海斗は、拳を強く握った。4月16日のヤクルト戦(マツダ広島)。同点の7回一死から代打で放った一打は、開幕からチーム13試合目、17打席目の待望の今季初安打。チームにとっても、5点差からの逆転勝利で単独首位に浮上する決勝点を呼ぶ貴重な一打となった。

 直近2年間、手にしていた遊撃レギュラーの座が、あっという間に自身の元から離れていきつつある。開幕戦はスタメンに名を連ねながら14打席無安打。4月6日の阪神戦からベンチスタートとなり、皮肉にもチームはその試合で今季初勝利。そこから思うような出場機会もなく、苦しい日々が続く。

 同じ轍は踏むまいと臨んだシーズンだった。昨季も開幕から不振が続き、4月を終えた時点で打率.157。それでも最終的に127試合に出場。不振が続いてもチャンスに恵まれたが、今季は違う。2016〜18年のリーグ3連覇メンバーの田中広輔がいる。自身が初安打を放ったヤクルト戦で同点の満塁本塁打を放つなど、存在感を発揮。新井貴浩監督は「小園も今はベンチから試合を見て勉強している状態だけど、『よしっ、やるぞ!』と思ってくれれば、いい競争になる」と、22歳の奮起に期待を込めた。

 18日の阪神戦(甲子園)では10戦ぶりにスタメン。2打席凡退で迎えた0対0の8回一死一塁の打席でバントを試みたが、西勇輝の好守にも阻まれて走者を送ることができなかった。苦しい日々に、ミスが追い打ちをかける。チームの将来を背負って立たないといけない背番号51が、試練のときを迎えている。

写真=BBM
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