週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

巨人・中田翔 指揮官も絶賛する一塁守備/守備職人のプライド

 


 豪快な打撃が注目されがちだが、中田翔は一塁守備で何度もチームを救っている。数々の選手を見てきた原辰徳監督をして「ファーストを守らせたら、僕はプロ野球界で一番上手な人だと思います」と言わしめるほどの名手なのだ。

 日本ハム時代と合わせ、一塁手部門で5度のゴールデン・グラブ賞に輝いた実績を誇る。「攻撃やいろんな面でほかの選手にカバーしてもらっているので、守備ぐらいはカバーしたいという気持ちから守備に力を入れるようになった」と意識は高い。若手時代は外野手だったが、2015年ごろからは一塁が本職となり、「(味方の送球ミスなどを)カバーすることに僕は魅力を感じています」と今や職人の域だ。

 4月18日のDeNA戦(長崎)の3回には、佐野恵太の一、二塁間への強烈なゴロを素早く横っ飛びしてグラブに収め、一ゴロに仕留めた。内野手のショートバウンドの送球を捕る場面も数え切れない。活躍は5月4日時点でリーグトップの7本塁打を放つ打撃だけにとどまらない。

 ゴールデン・グラブ賞に輝いた昨季終了後も「ハンドリングの強化をもっとやりたい」とテーマを設定し、地道な反復練習に時間を割いた。春季キャンプ以降は川相昌弘総合コーチが近距離で放つショートバウンドを捕る特訓を続けている。

「極力すべて捕りたいという気持ちで守っている」と語る背番号10。打席に立っていても、一塁ベース上にいても頼もしいだけに、5月4日のヤクルト戦(東京ドーム)で負傷交代したのはチームにとってもあまりに痛い。早期復帰を誰もが待ち望んでいる。

写真=BBM
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング