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日本ハム・伊藤大海「この腕がちぎれてもいい」もがいてたどり着いた今季初白星/本領発揮はこれからだ!

 

今季5度目の先発でようやく初勝利をつかみマウンドで雄叫びを上げた


 伊藤大海の2023年シーズンが、ようやく“開幕”した。7回1失点と好投した5月2日の西武戦(ベルーナ)で今季初勝利。実に5度目の先発でつかんだ、プロ3年目の1勝目。ヒーローインタビューでは「今日がラストチャンスだと思っていました。『この腕が、ちぎれてもいい』という、そのくらいの気持ちでマウンドに上がりました」と苦悩が詰め込まれた言葉が並んだ。

 WBC優勝メンバーとしてチームに帰ってきた右腕だが、シーズン開幕後は世界で見せた輝きを失っていた。今季初先発だった4月5日のロッテ戦(ZOZOマリン)こそ5回無失点でまとめたが、それ以降の3試合は簡単に失点を繰り返して試合をつくれずに3連敗を喫した。

 5回途中6失点でKOされた4月25日のオリックス戦(エスコンF)の試合後には新庄監督から「ちょっと悲しい。次、こういう投球だったら考えますよ。仕事なんで。プロ野球なんで」と、厳しい言葉がメディアを通じて送られていた。燃えないわけにいかない。5度目の先発をローテ生き残りへのラストチャンスと位置づけていた。

 なりふり構わずに調整した。登板日の前日まで4日連続でブルペン入り。中6日の登板間に4度の投球練習は極めて異例だ。体重移動の部分などフォームの修正と、投げ続けることで抱える不安に負けそうな自分を鼓舞した。もがいて、たどり着いた白星に「ここから下を向くことなく、先発陣を引っ張っていけるように全力で最後まで腕を振っていきたい」。高らかと反攻宣言した。

写真=BBM
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