長いシーズン、本田の力が必要になる時は必ずやってくる
昨季、
本田圭佑はプロに入って初めて本格的に中継ぎに専念し、才能を開花させた。45試合に投げ4勝2敗20ホールド、防御率1.97と大躍進。2016年に入団してから絶えず「目の前の試合を抑えたい」「もっと良いボールを投げたい」、その一心で反復練習を欠かさず、良いときも悪いときも決して逃げずに常に自分と向き合ってきた。そうした姿勢を知る多くの関係者が「努力が報われてよかった」と、わが事のように喜び、たたえた。
だが、好成績を残したからといって、本田本人にとっては大きな心境の変化はないという。「去年の成績があっても、もう年齢も年齢。『今年やらなきゃ終わりだ』という危機感は、変わらずにあります」と、いかにも“らしい”。これまでどおり自主トレ、キャンプ、オープン戦で入念な取り組みを積み重ねた。
一軍では7試合に登板し、防御率は1.04と成績的には安定していたように映るが、5月上旬時点で本人は「なかなか状態が上がり切らない。良いときと悪いとき、日によって感覚が全然違う」と歯がゆさを口にし、「状態が上がってこないピッチングだと、打ち損じを狙う、相手頼みの形になってしまう」と語っていた。
目指しているのは、「多少甘くてもファウルになったり、しっかりラインが出せて、コースにしっかり決まるという真っすぐがあって、そこからチェンジアップで抜く」という本来のスタイル。5月11日に登録抹消され、16日のイースタン・
ヤクルト戦(CAR3219)では先発して3回5安打4失点。しかし、必ずや状態を上げ、昨季以上の安定感を見せてくれるはずだ。
写真=BBM