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ヤクルト・村上宗隆 眠れる燕の主砲/本領発揮はこれからだ!

 

5月に入り調子を上げてきた村上宗隆


 これは、早熟の天才に課された試練なのか――。村上宗隆が開幕から苦しんでいる。5月14日時点で全36試合に出場し、打率.210、6本塁打、22打点。誰が見ても本来の姿ではないことは明らかだ。

 開幕前、村上のこんな姿は想像できなかった。22歳シーズンだった昨季は、日本新記録となる5打席連続本塁打を放ち、日本選手最多となるシーズン56本塁打を達成。打率.318、134打点で令和初で史上最年少の三冠王にも輝いた。今年3月に行われた第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では準決勝のメキシコ戦で逆転サヨナラ打を放ち、決勝のアメリカ戦ではソロアーチを放つなど3大会ぶりの世界一に貢献。大きな期待を背負い、高い目標を立てて新シーズンに入った。

「3連覇と、日本一奪還と、個人としてはキャリアハイ目指して頑張りたい」

 3月31日の開幕戦(対広島、神宮)では自身初となる開幕アーチを放ったが、なかなか状態が上がらなかった。三振数も増え、もがき苦しんだ。それでも、日々打撃フォームの修正を図るなど試行錯誤。自身の打席が終われば、ベンチでは声を張り上げ仲間を鼓舞した。

 開幕前、村上は「143試合長い戦いですけど。しっかり一試合一試合気持ちを切り替えながら、最終的に優勝すると目標だけ忘れずにやれば必ず勝てると思う」と力強く口にしていた。昨年「村神様」と称された若き主砲であれば、どんな苦境も必ず乗り越えられる。
写真=BBM
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