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楽天・松井裕樹 WBCでの悔しさを糧に/序盤戦MVP

 


 4月5日日の西武戦(楽天モバイル)。1点リードの9回表、二死二、三塁。松井裕樹が中村剛也を中飛に打ち取ると、球場中から拍手のシャワーが注がれた。今季3セーブ目を挙げ、史上9人目となる通算200セーブを達成。27歳5カ月での到達は、史上最年少記録となった。

 5月21日の時点でチームは最下位。クローザーに出番が回ってくることも少ない中、12試合に登板して1勝0敗、6セーブ3ホールド、防御率0.00。12回2/3を投げイニング数を上回る20奪三振。登板機会が少なくとも、役割を完璧に全うしている。

 今季は順風満帆のスタートを切れたわけではなかった。3月の第5回WBCではチームから唯一、日本代表に選出。しかし国際球の対応に苦しみ、1試合の登板に終わった。慣れない国際球への対応に苦慮したことで投球フォームにも影響があったという。

 3 月下旬のチーム合流後は、その悔しさも胸に、懸命の調整を続けた。「投げたいストレスをためて帰ってきた」。徐々に調子を取り戻して開幕を迎えると、4月2日の日本ハム戦(エスコンF)では1回をピシャリと抑えて通算199セーブ目。最速150キロの直球と140キロ台のフォークで、相手打線を手玉に取った。

 石井一久監督は「彼はヒットを打たれても、四球を与えても、特殊能力の奪三振を持っている。三振が欲しいところで取れる」と信頼を寄せる。「イーグルスのために毎日でも投げたい」と語る守護神は、巻き返しを狙うチームで、さらに強い輝きを放つ。

写真=BBM
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