淡々と試合をつくる。ローテーションに戻ってきた西野勇士は6試合に投げ5勝1敗、防御率2.61(5月26日現在)と、好調を維持。交流戦では2013年以来の先発勝利を目指す。
20年にトミー・ジョン手術を受け、昨季は中継ぎで37試合に登板。本格復帰にも連投を避けるなど慎重な起用が続き、「他の選手に迷惑がかかっていた」ともやもやがあった。吉井監督の勧めもあり、今季は先発に再転向。4年ぶりの挑戦に、「わくわくが大きい。不安はあまりなくて、楽しんでやろうと思っています」。15年目のシーズンを新たな気持ちで迎えた。
心構えは「とにかくテンポ良く投げること」。走者を背負っても、簡単には崩れない。ストライク先行で、常に攻撃のリズムをつくることを意識する。フォーク、2種類のカーブ、スライダー、
シュートと多彩な変化球も武器で、日本代表の抑えも務めた豊富な経験がここぞという場面で生きる。
「3人ずつ抑えるより、何なら1人ずつ。中継ぎでも、抑えでも先頭をしっかり抑えて、1人ずつ投げていく」
4月4日の本拠地開幕戦(対
日本ハム)で5回4失点で先発として1305日ぶりの白星を挙げると、5月11日の
西武戦(ベルーナ)では8安打を浴びながら6回無失点。主戦投手の復活を印象づける。
まだまだ白星には「たまたま」と納得感はない。
「シーズンが終わって、全体的な数字が勝ってておかしくないという数字にできるようにしたい。一試合一試合積み重ねていけたら」。セ・リーグ相手にも、変わらぬ姿勢で挑む。
写真=川口洋邦