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巨人・L.ブリンソン どこか期待を抱かせる/下位打線で光る

 


 派手なプレーと意外性――。それがL.ブリンソンの“魅力”だ。メジャー通算28発の新助っ人は、主に七、八番で起用され、時に下位打線から痛烈な一撃を見舞ってきた。

 良くも悪くも、注目を集めるシーンが多い。ここまでのハイライトは5月13日の広島戦(東京ドーム)。延長12回一死満塁で、中越えへサヨナラ打。「メジャーでは『サヨナラヒット』はなかったので、日本で素晴らしい経験ができてうれしい」と、2試合連続の延長戦となった4時間43分の大熱戦でヒーローになった。

 その半面、同点だった11回二死一塁の場面では、一塁走者としてけん制に飛び出して走塁死。それでも「大事なところで走塁ミスしちゃったけど、とにかく悪いプレーは忘れる。そして前に進むことを考えてました」とミスは引きずらない。走塁中にアウトカウントを間違えるなど“凡ミス”も少なくないのだが、高い身体能力から生み出されるパワフルな攻守走は、見ている者にどこか期待を抱かせる。

 5月27日の阪神戦(甲子園)では0対3と打線が沈黙していた中、9回二死から逆風を切り裂く中堅右への5号2ランを放り込んだ。これには原辰徳監督も「この逆風の中であそこに入れるんだから並じゃない」と逆転には至らなかった中で称えた一方、「もう少しコンスタントに力を出してくれるといいよね」と笑い交じりの本音も口にした。

 6月8日に来日初となる登録抹消で二軍調整となったが、まだまだ続くシーズンで新助っ人の力が必要な時は必ず訪れるはず。いずれにしても、安定感こそが今後の課題だ。

写真=BBM
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