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ヤクルト・中村悠平 数字だけでは測れない貢献度/下位打線で光る

 


 あらゆる形で攻撃に彩りを添えている。中村悠平は正捕手として守備面での貢献はもちろん、打線の中では重要な存在だ。6月11日時点で打率.223だが、8犠打はチームトップ。数字には表れない部分でもつなぎの役割をこなしている。

 今年は先発出場した43試合中2試合だけ二番で起用されたが、主に六、七、番に座り、最近は八番で先発することも増えた。もとより、右打ちや犠打が得意。それに加え、一発は少ないがシャープな打撃の持ち主で、主軸に村上宗隆山田哲人、外国人選手が居並ぶ中、その働きは貴重といえる。

 試合を決めた一打もあった。4月20日の中日戦(神宮)では、途中の守備から出場して延長11回一死二塁から中前へサヨナラ打を放ち「自分で決められればいいかなと(思っていた)。打つほうもなかなか開幕してから貢献できていなかったし、ここは決めたいなと。打席に入ったときにファンの皆さんの声援が後押ししてくれてそれがすごく大きくて、自信になって勇気をもらえた」と感謝。ベンチで見守った高津臣吾監督も「思い切ってスイングをしかけていけるのは、経験とかキャッチャーらしさというところをすごく感じました」と評価した。

 状態が上がらない中では、「何かを変えたい」と気分転換に白木のバットを使うなど、もがきながらもチームのために試行錯誤を繰り返してきた。3月のWBCでもしぶとい打撃で3大会ぶりに世界一に貢献。攻守でなくてはならぬ存在だ。

写真=BBM
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