まずは代打の切り札として結果を残していきたい
一軍復帰に向けて
糸原健斗が再点検を続けていた。5月29日に二軍落ち。開幕前から「代打の切り札」と言われた右の
原口文仁とともに再調整を余儀なくされた。
「まずはこちらでもう1回、強く振ることと、一発で仕留めるということを意識していきたいと思っています」
ウエスタン・リーグ戦に出場する日々。ちょうど1年前はセ・パ交流戦に全試合スタメン出場したことを考えれば、糸原の置かれている立場はガラリと変わった。
昨シーズンは二塁、三塁でレギュラーとして働いてきた。だが、ショート・
中野拓夢の二塁転向、
佐藤輝明の三塁固定でベンチへと追いやられた形になった。
糸原自身も「今年は厳しい立場になる」と語っていたが、ファーム落ちした時点の糸原は24試合すべて代打出場で、打率.111(18打数2安打)と成績自体も振るわなかった。
5月11日の
ヤクルト戦(甲子園)の8回一死一、三塁、代打・糸原の遊ゴロで
小幡竜平が生還して2対1で競り勝ち。持ち前のしつこい打撃が戻れば必要とされる時が来る。
本人も「自分のやることができるように準備しておきたい」と打撃に磨きをかけた。同じ境遇を経験している
和田豊二軍監督も期待をかけていた。
「今年は初めての代打に回って戸惑いもあったと思う。こちらでは1打席でも多く立って、もう1回体のキレを取り戻させたい」
まだまだ老け込む年ではないプロ7年目の30歳。6月9日には一軍再昇格。ここからエンジン全開といきたい。
写真=BBM