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広島・黒原拓未 気持ちでレジェンドを超えていく/伝統を背負って

 

2年目は先発としても経験を積むドラ1左腕・黒原


 プロ初先発のマウンドは、ほろ苦いものとなった。5月26日のヤクルト戦(マツダ広島)。黒原拓未は3回まで6得点の大量援護をもらいながら、踏ん張り切れなかった。4回一死から3安打1四球で3点差に詰め寄られた場面で降板。プロ初勝利はお預けとなったが、3回までに6奪三振と爪痕は残した。「緊張もありましたけど、今日で感覚や雰囲気は分かった。その経験は次に生かしていきたい」と前を向いた。

 2022年ドラフト1位として、伝統ある背番号「24」のユニフォームに袖を通した。1年目はすべてリリーフで、12登板1ホールド、防御率6.52。今季も開幕直後までリリーフ要員だったが、二軍降格した4月下旬から先発に挑戦。2度目の先発となった6月11日のロッテ戦(ZOZOマリン)も満塁被弾するなど5回途中5失点でプロ初黒星を喫したが、苦しい船出は背番号24の大先輩の姿に通ずる。入団4年目の1980年から現役引退の98年まで20年近く背負った大野豊は、プロ1年目の防御率135.0から通算148勝138セーブの大投手へと上り詰めた。同番号は20年から空き番で、左腕が背負うのは7年ぶり。球団OB会長でもあるレジェンド左腕は黒原が受け継いだことを歓迎しながら、「自分を超える投手になってほしい」と活躍を願っている。

 新井貴浩監督は「今は抑えても打たれても彼の場合は勉強。肥やしにして成長してほしい」と長い目で見守っていく考えを示す。左腕自身は「自分は“気持ち系の選手”」と語る。気迫を前面に、ここから飛躍の階段を上っていく。

写真=BBM
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