移籍後、先発投手としての役割をきっちりと果たしている西勇
オリックスから
阪神移籍を決めた当時の
西勇輝は「ファンと一体となって甲子園を熱くしたいです」と言い切って周囲をよろこばせていた。
しかも本人が選択した背番号「16」は、阪神の球史を支えた選手がつけることが多かった。それだけになおさら期待が膨らんだものだ。
かつて16番を背負った主な選手に、名三塁手の
三宅秀史、エース格だった
上田二朗らがいる。また看板選手で、現指揮官の
岡田彰布の背番号でもあった。
今年から一軍投手コーチを務める
安藤優也コーチも背負っていたことから、西勇は「安藤さんのイメージが強いと思うが、自分の番号になるように印象づけたい」と意気込んだ。
オリックス時代に先発ローテーション入りしたときの岡田監督とは、再び阪神で巡り会った。計算のできる主軸として評価されたはずだった。
今シーズンは3試合目の登板になった4月18日の
広島戦(甲子園)で初勝利を挙げた。その後は勝ったり負けたりでシーズンが進んできた。
昨シーズンまで5年連続で規定投球回数に到達した。「そこは通過点」という西勇に求められるのは、チームに勝利をもたらすことだろう。
交流戦は6月7日の
楽天戦(楽天モバイル)で3勝目。14日のオリックス戦(甲子園)でも好投を見せ、27日の
中日戦(甲子園)では5回3失点ながら5勝目。自身が「まだ味わっていない」という“アレ”を果たして伝統を継承したい。
写真=BBM