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ロッテ・田村龍弘 1点を守る判断力/チームを支える扇の要

 


 安心感を与え続ける。田村龍弘は今季、チーム最多の37試合で先発マスクをかぶる(7月6日現在)。佐藤都との併用の中、田村の出番は技巧派の投手とのバッテリー。リードへの信頼の表れだ。

 6月24日の日本ハム戦(ZOZOマリン)。4対4の9回、先頭打者の二塁打に自身の野選も絡むなど無死二、三塁。投手・益田直也と迎えた難局でも冷静だった。打者・石井一成に対して、4球目を外角に外した。スクイズを狙った石井は空振り。飛び出した走者をアウトにすると、なお一死三塁。相手はフルカウントから再びスクイズ。これも読み切り、ピンチをしのいだ。「打者の巡り合わせと投手の兼ね合いも含め、予想外ではない。9回なので1点でも取られたらダメなところ」。最高の形で乗り切って、サヨナラ勝ちにつなげた。

 5月18日のオリックス戦(ZOZOマリン)では救援投手でつなぐ「ブルペンデー」の先発出場を任され、白星に貢献。首脳陣からの信頼は厚い。「好きに、責任持ってやってくれと言われている。やらないといけないし、出ている以上は絶対言い訳はできない」。言葉に覚悟が宿る。

 チームはキャリアハイの出場数を迎える選手がほとんど。開幕から支えてきた投手陣にも疲れが見え始めた。厳しい状況で、自らの役割を自覚する。

「頑張ってきた若い子が落ちていているところで、僕や(中村)奨吾さんみたいに昔からずっと出ている選手が一緒に落ちたらチームは落ちる。しっかりカバーして、また打ってくれるときまで我慢かなと思う」。率先してチームを背負う。

写真=高原由佳
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