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西武・古賀悠斗 成長と失敗を繰り返して成長へ/チームを支える扇の要

 

2年目の古賀は貴重な経験を積みながらマスクをかぶっている


 長く正捕手の座に君臨していた森友哉が昨年オフにオリックスへFA移籍し、今年は「最大の課題」として開幕前から捕手のポジション争いに大きな注目が集まっていた。その中で序盤は高橋光成今井達也松本航など主軸投手の女房役を務めた柘植世那が一歩リードしていたが、5月10日に右肘の炎症で登録抹消となり、それを機にファーストチョイスは古賀悠斗となっていった。

 古賀にとっては千載一遇のチャンスが巡ってきたが、だからといって決して諸手を挙げて喜ぶわけにはいかない厳しい現実に直面している。5月は7勝16敗、6月は9勝13敗、7月は11日現在、1勝7敗で最下位に低迷。防御率はリーグの中でも決して悪いわけではなかったが、打線の歯車が噛み合わず落とすゲームが続いたのだ。

 守備でも打撃でも、直接的に投手を助けることのできる捕手という立場として、古賀は誰よりも責任を感じている。

「捕手としては、先に点を取られても最少失点で抑えられるようにと意識して。なんとか粘れていたとしても、打者としてこれだけ試合に出させてもらっている中で、打線が苦しいときにチャンスの場面で打席が回ってきても結果が出せない自分は未熟だなと思います」

 攻撃面でもっと投手を助けたくて、ホームゲームの日には必ず午前中に室内練習場でバットを振ってから全体練習へ向かっている。捕手としても1年目の昨季は多少の遠慮もあったが、今季は「もう一段階踏み入って話すように」と、より一層の対話を心掛けている。まだまだ発展途上。誰もが認める正捕手になるべく、成功と失敗を繰り返して学び続けていく。

写真=BBM
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