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広島・坂倉将吾 挑戦とともにチームの改革は進む/チームを支える扇の要

 

捕手専念で日々成長を続ける坂倉


 勝利を収めたゲームセットの瞬間、マスクを外した坂倉将吾から笑顔がはじける。「勝つことを一番に考えてやっています」。捕手専念を決めた今季、何度もその言葉を繰り返してきた。扇の要という重要なポジションに挑み、任されていると自覚を胸に、自身の成績以上に勝利に執着するからこそ、その味は格別だ。

 7年目の覚悟の挑戦だった。「いつまでもどこのポジションを守っていると、中途半端な感じになる」。全試合出場した昨季は三塁で119試合、一昨年は一塁で56試合、捕手で54試合に先発出場。今季は6月29日現在、先発53試合すべて捕手での出場。シーズン序盤は捕球ミスや後逸などのミスも目立ったが、新井貴浩監督は、就任直後に改革の一手で打ち出した捕手・坂倉の現状に「もっと苦しむと思っていた」と及第点を与える。

 指揮官が求める姿は強打の捕手だ。「あれだけの打力がある選手が捕手でいると、相手チームの脅威になる」。2021年にはリーグ2位の打率.315をマークした。今季4月終了時こそ.227と低調だったものの、交流戦は.340と状態は右肩上がり。打順も最近では五番を任される試合も多く、攻守でチームを支えている。

 打撃好調でも、週に1試合のペースで會澤翼がマスクをかぶる際はベンチから戦況を見つめる。これも捕手の成長に欠かせない。「僕だったら、こっちかなとか。それがいい悪いではなく、自分が見てどう感じるか。いろんなものを見て勉強して頑張りたい」。まだ挑戦は始まったばかり。経験を重ねて、球界を代表する捕手へと上り詰める。

写真=BBM
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