着実に階段を上っている。3月のWBCで世界一を経験した大城卓三は、チームに戻ってからも中心選手としての存在感が際立つ活躍を続けている。
5月20日の
中日戦(東京ドーム)ではプロ6年目で初の満塁本塁打を放ち、勝利に貢献。「自分が出た試合は本当に勝ちにこだわってやっています。自分で打ったら勝ちにつながるのが、今日でまた分かった」と自信につなげた。
6月17日の
楽天戦(東京ドーム)では0対2で迎えた6回二死、
早川隆久から右越えの10号ソロ。勝利にはつながらなかったが、1打席目で見逃し三振を喫したチェンジアップをとらえた一打に、東海大の先輩でもある
原辰徳監督は「素晴らしい。やられているボールをやり返したというのが、やっぱりレギュラー」とうなった。これで球団の捕手では
阿部慎之助(現ヘッド兼バッテリーコーチ)以来となる3年連続2ケタアーチ。昨季の13本塁打を超えるキャリアハイを記録する可能性は高い。
今季は
中田翔が故障離脱した期間に五番を任されて好調をキープするなど、指揮官が「独特の、ここっていうときに力を出す勝負強さを持っている」と成長に目を見張る。
もちろん、打つだけではない。盗塁阻止率も7月5日時点でリーグ2位タイの.385。「若い投手も多いので、良さを引き出せるようにというのを意識してやってます」と、捕手としての自覚も十分だ。寡黙な男だが、言葉にも頼もしさが宿ってきた。
写真=BBM