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西武・平井克典 “暑さ”に負けない“熱さ”を見せる中継ぎ右腕/夏男の季節

 

経験値の高い平井の存在は投手陣にとって大きい


 7月に突入し、湿気と高温に萎える選手が少なくない中、「夏の暑さは全然、平気!」と涼しい顔で笑顔を見せるのが平井克典だ。暑いのが好きな理由は「寒いのが嫌いなだけ」と言うが、実際の成績を見ても、入団1年目から毎年、“夏男”と呼ぶのに十分な数字を並べてきている。

 今季も、7月1日に2失点は喫したものの、状態自体は悪くない。むしろ、今年は“変革”を求めて自主トレから取り組みを大きく変えており、トレーナーをつけてのウエート中心のトレーニングが投球内容に良い影響をもたらしていることをはっきりと自覚できている。2019年に81試合に登板し、パ・リーグのシーズン最多登板記録を樹立して以降、「納得いく数字をまったく出せていない」と、モヤモヤを抱えたままの状態が続いてきたが、一変。31歳を迎えているが球速は最速150キロ、平均145キロと、いずれもキャリア最速の数字にまで戻っているのである。

 さらに、「ここまで体に痛いところがどこもない」と、コンディション面でも過去にないほどの充実ぶりも実感。かねてより口にしていた「まだまだ若いヤツには負けたくない。ここからもう一花咲かせたい」の言葉を実現しつつある。

 昨季までの中継ぎエースだった平良の先発転向により勝ちパターンが1枠空いた中、経験値も高い平井の安定感は非常に大きい。プレースタイル的にも、感情をむき出しに投げるため、ピッチングそのものでチームを鼓舞できる存在でもある。暑さに負けない熱さで、現在5位に沈むチームを活気づけ、巻き返しに貢献してみせる。

写真=BBM
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