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楽天・島内宏明 チーム浮上の原動力へ/夏男の季節

 


 復調を期待させるような一発だった。6月30日のロッテ戦(ZOZOマリン)。4対4で迎えた8回だった。

島内宏明が、ペルドモの内角ツーシームを強振。高々と舞い上がった打球は右翼席の中段で弾んだ。チームの連敗を2で止める決勝ソロに「ホッとした気持ちはある。涙が出そうです」と喜びをかみ締めた。

 主に中軸を任された昨季は142試合に出場し打率.298。161本ものヒットを放ち、最多安打のタイトルも獲得した。だが、今季は開幕から絶不調。7月4日まで61試合に出場し、打率.177と打撃不振が続いている。

「正直、落とされないといけないと思っている。二軍の人にも申し訳ない気持ちもあります」と悩める胸中を明かした。

 ただ、石井一久監督は「過ぎたことは取り返せないので、ここからだと思う。それは島内も思っていると思う。ここからじゃないですか」と期待を寄せる。

 確かに過去の実績を考えても、ここからのV字回復は期待できる。夏を得意としており昨年7月は21試合に出場して打率.350。同8月は26試合出場で打率.381、6本塁打の大暴れで、自身初めて月間MVPに選出された。

 夏に強い理由については「夏は投手がバテるので、その影響かな」とはぐらかしていた島内だが、21年も月別成績で最も打率が良かったのは8月(打率.289)だった。20年にも8月に月間打率.304と打ちまくった夏男は「開き直る気持ちしかないです」と言葉に力を込めた。

 しかし5年ぶりの登録抹消となり、現在はファームでプレー中。得意な季節で本来の打撃を取り戻し、チーム浮上の原動力となる。島内の力が必要なのはこれからだ。

写真=BBM

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