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ソフトバンク・有原航平 チームに欠かせない実力と経験/後半戦のキーマン

 

一軍昇格後、しっかりと試合をつくる有原の姿は、まさに“エース”


 移籍後初黒星を喫した登板で見せた意地の投球が、チームの後半戦を明るく照らした。7月7日の楽天戦(楽天モバイル)。前回登板まで3試合連続白星と抜群の安定感を見せていた有原航平が、初回にまさかの一挙5失点を喫した。一軍昇格後そこまで4試合の登板は、すべて6回以上を投げ、いずれも1失点。「エース級」とも言える働きを示していた右腕のまさかの大乱調にベンチには少なからず動揺が走ったが、ここからの投球が逆にチームに安心感を与えた。

 有原は「初回にビッグイニングをつくられるとチームの流れも悪くなる。迷惑を掛けてしまった」と猛省。その思いが強いからこそ「そこで代わるわけにはいかない。最後まで投げるという気持ちでいった」と、中盤以降は多彩な変化球を軸に楽天打線を封じて7回までマウンドを守った。移籍後初黒星こそ喫したが、7連戦中でもあり、ただでさえ登板過多気味のリリーフ陣の負担を軽減。それだけに藤本博史監督も「立ち上がりだけ。初回だけやもんね」と、白星と変わらないほどの評価を与えた。

 いまや先発陣の柱の1人で、後半戦にも欠かすことのできない存在となっている。米球界から3年ぶりに日本球界に復帰したが、開幕は二軍スタート。二軍戦の8試合では結果を出せていなかったが、6月の一軍昇格後は、その実力を存分に示している。8回2安打1失点で3勝目を挙げた6月30日の西武戦(ベルーナ)後には藤本監督が「一番頼りになっている。長いイニングもいけるしね」と絶賛。経験豊富な右腕が3年ぶりのV奪還の鍵を握る。

写真=湯浅芳昭
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