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広島・大瀬良大地 現状を打破するために前を向いて/後半戦のキーマン

 

個人としては負け越している大瀬良だが、このままでは終わらない


 強い責任感とは裏腹に、もどかしい登板が続く。7月8日の中日戦(バンテリン)で1点リードの6回に同点、さらに勝ち越しを許すと、大瀬良大地は表情をゆがめた。7回3失点と試合自体はつくったものの、逆転負けで7敗目。プロ2年目の2015年に6月上旬までに6敗で中継ぎに配置転換されたことはあったが、球宴前に7敗を喫するのは10年目で初めてだった。

 チームの先発陣は、防御率上位を争う床田寛樹九里亜蓮。さらに、右肘手術の影響で出遅れた森下暢仁も、復帰後は安定した投球が光る。大瀬良も状態が悪いわけではない。球威とともにコーナーに投げ分ける制球力は抜群。ただ、黒星を大きく下回る3勝と白星に恵まれない。「調子自体は悪くはないけど、結果的に負けてしまっている」。今季登板時の援護点は4得点と3得点が1試合ずつで、残り10試合は2得点以下だ。

 7月1日のヤクルト戦(神宮)では、初回にサンタナに3ランを浴びて負けた。この試合では3回に敵失で出塁すると、球団投手では07年の青木高広以来16年ぶりに盗塁をマーク。得点には結びつかなかったものの、新井貴浩監督は「投げるだけでなしに、何とかしようという彼のああいう姿が、投手と野手の気持ちを結びつける。エースの姿」とあらためて存在感の大きさをたたえた。

 チームは前半戦を終えて、首位とゲーム差1の2位にいる。「前を向いてやるしかない。責任を持って次に向けて調整していきたい」。背番号14の復調なくして、5年ぶりのリーグ優勝は見えてこない。

写真=BBM
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