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阪神・植田海 激しい優勝争いに欠かせない 僅差の展開で見せる存在意義/ユーティリティーの極意

 

スキあらば次の塁を狙う走塁が大きな武器だ


 中堅の域に入った植田海は、開幕からここまで1度も一軍から外れていない。目立たないが貴重な存在であることの表れと言えるだろう。激しい首位争いに植田の存在は欠かせない。岡田彰布監督が就任した今季、プロ9年目を迎え、主に試合終盤、外国人らの代走として起用される。そこから守備固めに入る機会が多い。

 7月12日のDeNA戦(甲子園)は、9回一死満塁の場面で、新人・森下翔太の左犠飛でサヨナラ勝ちを収めた。このときの三塁走者が植田だった。この試合は8回に同点に追いつき、9回にノイジーが四球を選んだことで代走に送られた。ヒーローは森下だが、ホームを踏んだのは植田だった。

 前半戦は24試合に出場し、3盗塁だった。2021年シーズンは11度の盗塁企図で10度成功。年々マークは厳しくなっているが、そこをクリアするのは本人次第だ。植田は「(盗塁は)2ケタはしたい。100パーセント(の成功率)で」と語ったように、まずは出塁したらスタートを切るのが役割になっている。

 試合では内野手登録ながらレフト、ライトを守っているが、昨秋キャンプで二遊間の特守もしてきた。「基本を意識して雑にならないように」とスペアとしても起用が可能だ。

 打席に立つことはほとんどないが、代走、守備固めのユーティリティーとしてゲーム終盤に起用される。僅差の展開でパフォーマンスの成否は勝利のカギを握る。

写真=BBM
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