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中日・鵜飼航丞 可能性を広げて打席に立つ/ユーティリティーの極意

 


 ファーストミットを持って一塁へ元気よく駆け出した。鵜飼が7月25日のDeNA戦(バンテリン)に途中出場し、守備に就く。プロ2年目、出場86試合目で初めての一塁守備。二軍を含めても自身初だった。

「一つひとつ、アウトが取れてよかったです」。6回に代打で空振り三振に倒れると、7回の守備からビシエドに代わって一塁に入った。7回一死では戸柱恭孝、8回一死で関根大気の打球を、ともに無難にさばいた。

 準備が始まったのは前カードの広島戦(マツダ広島)。一塁でノックを受けた。渡邉博幸育成コーチの指導を受けながら練習。左右の動きや、送球の取り方、ベースとの距離感、投手との連係を確認した。

 内野守備を指示した立浪和義監督は「打てば出られる世界。まず打つほうを頑張ってもらいたい」と語る。チームでは一塁守備に着手する選手が多い。三塁の石川昂弥や、外野手の細川成也、二塁・遊撃を本職とする溝脇隼人もいる。

 鵜飼にとっては出場機会を増やしたい。昨季は59試合に出場。右翼、左翼を守った。ただ、打球処理にミスも目立った。目測を誤り、出塁を許す。精神的ショックは打撃にも影響する。気づけば立ち位置は二軍。結果として、打席をもらうチャンスは減った。

 一塁を守れるようになれば、可能性は広がる。ビシエドが不動の一塁だったのは昨年までのこと。チャンスはあるのだ。打って一塁を落ち着いて守る。鵜飼にとってはブレークするきっかけにしたい。

写真=BBM
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