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巨人・浅野翔吾 あふれる愛嬌とスター性/甲子園のヒーローは今

 


 これも語り草になる。黄金ルーキーの一挙手一投足に東京ドームの大観衆が沸いたのは、7月8日のDeNA戦。ドラフト1位の浅野翔吾が早くもデビューを飾ったのだが、「最悪なデビュー戦でした。あれ以上恥ずかしいことは、これからないと思います」と18歳は痛恨の表情だった。

 プロ初昇格から2戦目で、6回に代打で初出場。結果は2打席連続の空振り三振だったが、何より注目を集めてしまったのが直後の7回、右翼での初の守備機会だった。宮崎敏郎の右中間への打球を追いかけた途端に足を滑らせて転倒し、二塁打としてしまった。

 ベンチに戻るとすぐに先発の菅野智之に謝り、「しっかりしろよ」とポンと頭を軽くたたかれ、ベンチには和やかムードが漂った。原辰徳監督も「僕はたまたま、あのときは目をつぶっていて見えなかった」とニヤリ。話題に事欠かないのは、あふれる“スター性”の証でもある。

 浅野が高い人気を誇る源にあるのは、昨夏の甲子園だった。大会ナンバーワン野手として騒がれた中で、香川・高松商高の一番打者として3試合で3本塁打を含む10打数7安打6打点と大活躍し、8強入りに貢献した。高校通算68本塁打を放った男は「甲子園は人生を変えてくれる場所」と、大ブレークした夏の記憶を大切に胸に刻んでいる。

 8月11日のDeNA戦(東京ドーム)ではプロ初スタメンを飾り、初安打を放って笑顔を見せた。171cm86kgのがっしりとした体には、大きな夢が詰まっている。

写真=BBM
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