8月11日に登録抹消されたが、その力はチームに必要だ
夏の甲子園「本塁打記録保持者」は今、ベイスターズの貴重な右のリリーバーとなっている。2016年、栃木・作新学院高の54年ぶり2度目の全国制覇に貢献した
入江大生は、2年目の昨季に中継ぎとしてリーグ5位タイの57試合に登板しブレーク。今季も8月19日時点で32試合に登板し、ブルペンを支えている。
高校3年春には背番号「1」を着けるなど投手としても活躍していた入江だが、最後の夏はエースの座を
今井達也(現
西武)に譲り、主に一塁手として打線の中軸を担った。初戦の尽誠学園高との2回戦で7回にソロを放つと、花咲徳栄高との3回戦でも左翼席へ2ラン。そして木更津総合高との準々決勝では
早川隆久(現
楽天)から先制ソロを放ち、PL学園高・
清原和博(元西武ほか)らに並ぶ甲子園記録の3試合連続本塁打を記録した。
高校野球の頂点を味わった一方で、投手としては準決勝の1イニングのみの登板に終わった悔しさを胸に「ああいう舞台で勝てる投手になりたい」と投手専念を志し、明大への進学を決意した。東京六大学野球の名門の中でもまれながら、最速153キロの本格派右腕へと成長を遂げ、20年のドラフト会議で
DeNAからドラフト1位指名を受けた。
1年目は開幕先発ローテーション入りを果たしたが、故障もあり4登板で4敗、防御率7.85に終わった。それでも2年目から中継ぎに転向し、再びスポットライトを浴びる存在になった。高校時代は打者としてその名を全国にとどろかせ、プロでは投手として存在感を放つ稀有なパターンで、今も多くの野球ファンに愛されている。
写真=BBM