5月4日の
ロッテ戦(楽天モバイル)。松井友飛が先発し、5回無失点でプロ初勝利を飾った。一軍で自身2度目の登板はキレのある真っすぐと120キロ台のカーブで緩急をつけ、3安打の粘投。今季初登板で結果を残した2年目右腕は、お立ち台で「初勝利を仙台の地で挙げることができてうれしい」と喜びをかみ締めた。
190センチの長身から、最速154キロの直球を投げ下ろす。沖縄キャンプは一軍でスタートしたが、目指していた開幕先発ローテ入りは果たせなかった。二軍で磨いたのが、武器である直球の質だ。「真っすぐの質を、とにかく向上させた」と速度にもキレにもこだわって、5月上旬に一軍昇格を勝ち取った。
プロ初登板となった2022年7月8日の
西武戦(楽天生命パーク)では4回4失点。あらためて一軍の打者のレベルの高さを思い知ったという。さらなるレベルアップに向け、オフにはフォームを一から見直した。
「昨年までのフォームは僕の中では全部捨てた」。金沢学院大時代、投げっぷりの良さも評価され、22年ドラフト5位で入団。だが、より体幹を意識したフォームに変更したことで軸が安定し、制球力も向上した。
石川・穴水高時代は、投手として1勝もできなかったという。中学時代は外野手で、まだ伸びしろも十分にある。
「高校時代に1勝もできなかったのが、プロで1勝できるというのは不思議。1勝1勝、重ねていけるような選手になりたい」と長身右腕は上を見据えた。自慢の直球にさらに磨きをかけて、目標である先発ローテ入りを実現させたい。
写真=BBM