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中日・松山晋也 1年目で「勝利の方程式」入り/わがチームの速球王

 


 数字上の速球王であれば、球速160キロ超を連発する竜の絶対的守護神ライデル・マルティネスがいる。

 そのカリビアンを除けば、ブルペンにもう一人。最速155キロの速球で育成契約から支配下契約を勝ち取り、さらに勝ちパターンに成り上がった松山晋也が彗星のごとく現れた。

 二軍で結果を残し、インパクトを与えたのはプロ初登板となった6月17日、本拠地での日本ハム戦。出番は3点ビハインドの9回。先頭の代打・野村佑希への3球目に154キロでファウルを奪って追い込むと、フォークで見逃し三振を奪った。

 続く石井一成は151キロの直球で空振り三振。最後は代打・アルカンタラをフォークで見逃し三振に仕留めた。圧巻の三者三振デビュー。同24日のヤクルト戦(バンテリン)では自己最速を更新する155キロをマークした。

 自ら「変わり者」と話す。ドラフト前夜の昨年10月19日。松山は母校・八戸学院大グラウンドにいた。マウンドに布団を持ち込み、敷く。そのまま眠りについた。防寒対策としてベンチコートを着込んだ。青森の夜空を眺め、祈りながら眠りについた。

 起床エピソードは秀逸だ。朝5時半。「声がすると思ったら、サッカー部が朝練をしていました」。ドラフトでは育成契約ながら、竜から指名された。「1年目が勝負です。人生を変えようと思って名古屋へ向かいました」。夜空に立てた誓いを実現させた。

 8月には勝ちパターンを任されるようになり、大事な8回のマウンドに上がっている。9月3日の広島戦(マツダ広島)も無失点でマルティネスにバトンをつないだ。これで14試合連続無失点。育成から成り上がったルーキーが抜群の存在感を示している。

写真=BBM
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