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広島・床田寛樹 感情を抑えて冷静に積み重ねる/タイトル争い参戦中

 

自身初の2ケタ勝利を挙げた床田は、自身初のタイトルも狙える


 こだわりを胸に9回のマウンドに向かった。8月17日の阪神戦(マツダ広島)、8回を投げ終えて115球。床田寛樹は「行かせてください」と新井貴浩監督に直訴した。最後は7球で3人を料理。自身初となるシーズン2度目の完封勝利で、球団の日本人左腕としては2001年の高橋建(現二軍投手コーチ)以来、22年ぶりの10勝目を飾った。

 自身初の2ケタとともに「ずっと1年に2回したいと思っていた」というシーズン2完封だった。その後、2試合に登板し、9月6日現在、最多勝争いはDeNA東克樹と2勝差、防御率は阪神・村上頌樹(1.79)と僅差の1.93という“攻防”。2部門で自身初タイトルを射程圏にとらえている。

 昨季は前半戦だけでキャリアハイの8勝を手にしながら、後半戦初登板の8月3日のDeNA戦(横浜)で走塁時に右足関節骨折し、そのままシーズンを終えた。「去年は先のことばかりを考えていた。このままいけば最多勝を獲れるんじゃないか、規定(投球回)いけるかもしれない、と思ってケガをしてしまった。そこは“アカン、アカン”と感情を抑えている」。冷静に足元を見つめながら、目の前の登板に集中してきた結果の今の好成績だ。

 シーズンは佳境に突入した。チームは、まだ優勝を狙える好位置にいる。上位争いを繰り広げる中で、チームにとっても、自身のタイトルにとっても、1勝の重みは今後さらに増していく。マウンドに立てなかった昨季後半の悔しさも込めて、ここからラストスパートだ。

写真=BBM
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