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DeNA・宮崎敏郎 リーグトップの打率も「個人の成績は意識しない」不動心で貢献を続けるベテラン/タイトル争い参戦中

 

今年12月で35歳となるが工夫を凝らして力を維持している宮崎


 宮崎敏郎の思考がブレることはなかった。

「個人の成績を意識したことはありません。チームの勝ちにつながる打撃ができれば、それでいいと思っているので」

 9月11日現在でセ・リーグトップの打率.335。規定打席ギリギリではあるが、2017年以来の首位打者を射程圏内にとらえている。「タイトルを獲った感覚がなかったです。後々、皆に『おめでとう』と言われて、実感するぐらいでした」とは6年前の心境。ベテランと呼ばれるようになった今も、スタイルは同じだ。

 12月で35歳。加齢との向き合い方も心得ている。

「年齢とともに落ちてくるとは思います。その落ち方を、できるだけ緩やかにしたい。(衰えを)受け入れながら、なるべく緩やかにしたい」

 ここ数年で特に意識しているのは「強く振る」こと。スイングの強さや速度を維持するため、休養日でもマシンを相手に打ち込むことは多い。事実として、昨年まで3年連続で打率3割。節目の通算1000安打もクリアした。

 かつて筒香嘉智ホセ・ロペスらと中軸を組み、佐野恵太牧秀悟といった看板打者も成長してきた。今季は92試合に先発出場し、三番で64試合。四番・牧への気遣いも忘れることはない。

「何とか、牧の前にいい形で回したい。球数を投げさせるとか、できるだけ楽な形で打席に立ってもらいたい」

 出塁率.404もリーグ1位。396打席で36三振もさすがの安定感だ。左肋間筋の炎症で離脱していたが、8月29日のイースタン・西武戦(横須賀)で実戦復帰し、9月1日には一軍復帰即スタメン。不動心で貢献を続ける。

写真=BBM
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