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オリックス・T-岡田 初心を思い返し、再びアーチを「忘れてはいけないなと思って」/ラストスパートにかける

 

オリックス・T-岡田


 かつての主砲・T-岡田が本調子とは程遠いシーズンを送っている。7月26日のソフトバンク戦(京セラドーム)から一軍出場から約2カ月間、遠ざかった。

 高卒プロ18年目のシーズン。通算204本のアーチを描いてきた“浪速の号砲”は、大阪・舞洲で若手選手に混じって、懸命にバットを振った。若手から「Tさん」と呼ばれる度に「自分にも若いころがあったな、と感じることもあります」と初心を思い返す。

「一生懸命、練習して、一軍に呼んでもらって。自分にもそんな時期があった。忘れてはいけないなと思って、今も必死に練習しています」

 今季は上半身のコンディション不良で開幕から出遅れ、初昇格が5月13日のソフトバンク戦(京セラドーム)だった。3点リードの8回一死二、三塁からダメ押しの2点適時打を放つと、ベンチも総出で喜んだ。

「みんながつくってくれたチャンスだったので、最低限の仕事をと思っていました」

 ベテランは謙虚に笑った。

 試合前のベンチでは若手選手らから「Tさん、おかえり」と声をかけられ、中嶋聡監督からも「Tさんのためにも、やりましょう!」と“ゲキ”をもらった。数々のアーチを描いてきた和製大砲。一塁手には頓宮裕真、左翼には杉本裕太郎中川圭太らが存在感を示しているが、まだまだ負けられない。

 リーグ3連覇を決めた9月20日、約2カ月ぶりに一軍に昇格し、同日のロッテ戦(京セラドーム)で七番・一塁で先発出場して安打をマーク。23日のソフトバンク戦(PayPayドーム)、25日の西武戦(京セラドーム)では四番に座った。2年連続の日本一を狙うチームに必要不可欠な存在であることは間違いない。「なにわのゴジラ」と呼ばれ若手時代。背番号55は、老け込むには早過ぎる。

写真=BBM
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