球団においては一つの時代を築きつつあると言っていい。吉川尚輝はプロ7年目の今季、2年連続3度目のシーズン規定打席に到達した。
今季は主将に就任した2学年下の
岡本和真を支える副将の肩書が加わった。「自分のことも大事ですけど、和真のサポートを少しでもできればいい」と、チームメートへの声掛けを増やすなど、自覚がにじむ。
開幕から二番で起用されたが、4、5月は打撃不振のため先発を外れる試合も少なくなかった。それでも夏場は復調し、9月は
坂本勇人が遊撃から三塁に転向して新人ながら出場機会を得ていた
門脇誠が遊撃に入ったことで、二塁スタメンの座がさらに確固たるものに。チームが2試合連続でサヨナラ勝ちを飾った9月18日の
ヤクルト戦(東京ドーム)では、0対1の6回に7号同点ソロを放ち、「塁に出ることだけを考えた。最高の結果になってよかった」と存在感を示した。
吉川は昨季、二塁での先発出場が131試合。130試合以上は、球団では2004年の
仁志敏久が記録した137試合以来の快挙だった。今季は4試合を残す9月28日時点で109試合に先発出場。二塁でチーム内最多の先発出場は4年連続となる。
同日時点でセ・リーグの二塁手では中京学院大の先輩、
広島・
菊池涼介の守備率.994に次ぐ.992と、持ち前の守備力も随所で光っている。これからも正二塁手、そして副将として奮起を誓う。
写真=BBM