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ヤクルト・田口麗斗 守り続けた9回のマウンド/この場所は譲れない

 


 試合を締める、不動の存在となった。今季から抑えを任されている田口麗斗は10月2日現在、49試合に登板してセ・リーグ2位の33セーブを記録。防御率1.88と抜群の安定感を誇っている。

 リーグ連覇を支えた守護神・マクガフが昨季限りで退団。オフシーズンからクローザー争いが過熱した。田口に大役を任せた高津臣吾監督は開幕直後、「キャンプインのときは本当に何も考えてなかった。いろいろなシチュエーションを考えながら田口が(抑えに)一番いい収まりと判断した。一発を避けて遠く低くという意識をすごく強く持って、決して球が遅い投手でもない」と経緯を説明。4月1日の広島戦(神宮)に今季初セーブを挙げると、一度もその座を明け渡すことなく重責を務めてきた。

 調子の波が少ないことについて「良いときをキープするというよりも、悪い部分をなくすというところだと思う」と分析した田口。「技術不足でもあるし、もっともっとレベルアップしないといけない」と口にするほどの向上心もまた、好結果につながっている。

 日米通算313セーブを挙げた守護神の『大先輩』でもある高津監督は「1年間そのポジションを守ることがすごく難しいことだと本人もよく分かったと思う。彼も成長したんじゃないかなと」と目を細めた。

10月4日のリーグ最終戦を前にセーブランキングは2位が確定。抑え転向1年目でのタイトル獲得こそならずも、1年間その役割を果たし続けた事実が変わることはない。

写真=BBM
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