現役ドラフトで加入した細川成也が9月2日の
広島戦(マツダ広島)でシーズン20号を放った。球団の日本人選手では2010年の
和田一浩、
森野将彦(ともに現打撃コーチ)以来、13年ぶりとなる大台だ。
DeNAで芽が出ず、勝負イヤーに位置付けた今季、ブレークした25歳。右翼スタメンは譲れない。「おぼろげながらって言うんですかね。今年だめだったら引退だなって思っていました。環境が変わると、こうも違うことが起こるんだと思いました」
2017年にドラフト5位で明秀日立高からDeNAに入団。
桑原将志や
佐野恵太、外国人助っ人らの競争に敗れ、スタメンを取りきれずに放出された。あとがないシーズンでレギュラーを勝ち取り、一気に球宴メンバーに選出される。その先に待っていたのが、
中日の日本人野手では13年ぶりの20号到達だった。
マウンドにいたのは広島の若き右腕・
森下暢仁。145キロの速球をしばきあげた。渾身の一振りから放った打球は右中間席の中段に突き刺さった。「思い切って真っすぐのタイミングに合わせて振りました」。手応えは完ぺき。外野手はすぐに追うのをあきらめた。
記録の重みはある。「20本に到達できたのはよかったです」。チームが本拠地をバンテリンドームに移転した1997年以降の20号到達は、03年の
福留孝介の26歳シーズンを抜いて最年少となった。
努力が報われると示してくれた25歳。つかんだ定位置は絶対に離さない。
写真=BBM