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西武・水上由伸 「60試合登板」の経験を生かして/復活を遂げた男たち

 

開幕直後に状態が上がらず、今季は23試合の登板に終わった水上


 2年目の昨季、開幕から勝ちパターンの一角を担い60試合に登板、4勝4敗1セーブ31ホールド、防御率1.77の好成績で最優秀中継ぎのタイトルを獲得した水上由伸。3年目の今季は昨季ともに最優秀中継ぎのタイトルを獲得したセットアッパーの平良海馬が先発転向しただけに期待はさらに大きくなった。だが、残念ながら青写真どおりにはならなかった。

 開幕こそ一軍で迎えたが、状態が上がらず、球速も最速143キロ止まり。2試合で1回2/3を投げたが、明らかに昨季までの球質とは違ったため、4月10日に登録抹消となりファームでの再調整となった。そして、約3カ月の調整を経て7月4日に再昇格となると、その後は球威も取り戻し、安定した投球を続けた。ブルペン捕手も「ベース板上の球に強さが戻った」と復調を証言。春先に状態の上がらなかった原因として、本人は「投球のバランスが悪かった」と振り返り、ファームでは「主にウエートをやっていました」。体を鍛え直しつつバランスも整えた。

 周囲からは「昨季初めて60試合を投げて、自分でも気付かない疲れが残っていても仕方ない」との声もあったが、水上は決して「疲れ」のせいにはしない。むしろ、「60試合投げた人にしか分からないことがたくさんあると思うので、投げられたからこそ分かったこともある」と前向きだ。

 再登録後は、走者のいる場面での起用も多く、「走者がたまっていても、去年の経験があるので落ち着いて投げられていると思う」と、昨季の経験値が生かされていることも実感している。今年の失敗も、必ずや今後の成長へとつなげていくはずだ。

写真=BBM
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