勝負強い打撃は健在。四番・堂林は最終盤のチームを支えた
今季のチームで、プロ10年以上のキャリアにして初めて四番に座った選手が3人いる。その一人が14年目、32歳を迎えた
堂林翔太だ。
上本崇司、
菊池涼介の2人は、
西川龍馬が故障離脱した際の緊急措置として四番を務めた。堂林も同様ではあったが、9月12日の
ヤクルト戦(神宮)で初めて任されると、翌日から2戦連発。西川離脱中の10戦だけでなく、復帰した26日の
中日戦(マツダ
広島)でも、2位死守を目指す一戦で四番スタメン。
新井貴浩監督が「中心にいて据わりがいい」と、ベストな布陣を組んだ中で送り出された。
出場試合数や打席だけを見ると、昨季とほぼ同じ。だが、12本塁打は3年ぶり3度目の2ケタで、自己最多に2本差だ。シーズン序盤は控えに甘んじていたものの、7月下旬からスタメン定着。8月は月間打率.371で5本塁打を放ち、9割台で優秀とされるOPS(出塁率+長打率)は10割超えの1.088。9月も、23日の
巨人戦(東京ドーム)では先制ソロに同点二塁打。これぞ四番という活躍ぶりだった。
年齢を考えれば、下降線をたどってもおかしくない。「32歳でも年を取ったと思っていない。まだまだ若い子たちには負けないように自分自身を鼓舞しながら、やっていけたらな、と」。復活というより、まだ発展途上。新井監督は「(山本)浩二さんでも30歳ぐらいからバッといった。彼にとっては飛躍の1年になるんじゃないか」とレジェンドを引き合いに出す。チームはリーグ優勝こそ逃したが、5年ぶりのAクラス。
阪神相手に下克上を狙うCSでも、背番号7の猛打は欠かせない。
写真=BBM