目標に掲げたシーズン“完走”を果たした。山崎颯一郎が、悲願の胴上げ投手となった。9月20日の
ロッテ戦(京セラドーム)の9回のマウンドを託され、リーグ3連覇を決めた瞬間、グラブを高々と投げ上げた(写真)。
「うれしくなって、思い切り投げたんですけど、予想していたよりブォーンとなってしまって(苦笑い)。あ、やばいと思ったら(二塁手の)安達(
安達了一)さんが両手でキャッチしてくれていました」
捕手の
森友哉をガッチリと受け止め、ベンチから飛び出したナインからの『歓喜のウオーターシャワ』ーを浴びた。ビール掛けにもハイテンションで参加し「最高です!」と声を張り上げた。
ただ、喜びの時間も“束の間”だった。9月26日の
西武戦(京セラドーム)の9回にマウンドに上がると、一死を奪うも5安打6失点でKO。今季初黒星を喫すると、翌27日に「左腸腰筋の筋損傷」と診断され、出場選手登録を抹消。それでも、大阪・舞洲でリハビリ生活をスタートさせ、10月11日にフェニック・スリーグで実戦復帰した。
10月18日に開幕するクライマックスシリーズ・ファイナルステージへ照準を合わせ、調整を続けている。今季は53試合に登板して1勝1敗9セーブ、防御率2.08の好成績を残した。
定着しつつある愛称『吹田の主婦』も大人気。球場には背番号『63』のユニフォームを着て声援を送るファンも増えた。
「応援してもらっている声は聞こえます。より一層、頑張らないと、と思っています」
ポストシーズンでも、懸命に腕を振る。
写真=BBM