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中日・岡林勇希 タイトル逃すも目標達成/飛躍のシーズン

 


 竜の切り込み隊長が中堅に定着した。岡林勇希が初のフルイニング出場。三重・菰野高から2020年にドラフト5位で入団し、昨季は最多安打のタイトルを獲得。目標に掲げた143試合フルイニング出場を達成した。

「良かったです。頑張りました」。球団では2006年の井端弘和以来、17年ぶり。球団外野手に限ると、1950年の2リーグ分立以降では初めてだった。今季は球団記録を74年ぶりに塗り替える29試合連続安打も記録した。

 最多安打争いを繰り広げた。ライバルは阪神中野拓夢DeNA牧秀悟。2選手があと1試合を残した10月3日の巨人戦(バンテリン)は竜にとってラストゲーム。1本打てば追いついたが、結果は4打数無安打。「まだまだですね」と表情を曇らせた。

 打ちたかった。3回、一死三塁は巨人・赤星優志の150キロ真っすぐに空振り三振に倒れた。現役引退を発表していた堂上直倫が左翼線二塁打で出塁し、先発・小笠原慎之介が犠打を決めた好機。巨人内野は前進守備を敷いていた。ヒットゾーンは広い。だが、バットは空を切った。8回の無死満塁では遊ゴロ併殺打。これが今季最後の打席となった。

 アクシデントに負けなかった。2月の春季キャンプ中の練習試合では右足を打撲。さらに3月初旬、侍ジャパンとのシート打撃でダルビッシュ有(パドレス)から右膝付近に死球を受けた。守備は中堅スタメンが123試合、右翼は20試合。痛みに強く、好不調の波をなくし、チームの得点に絡む存在として地位を築いた。

写真=BBM
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