遠ざかっていた称号を射止めた。
移籍1年目のポランコが26本のアーチを架け、パ・リーグ本塁打王に輝いた。球団では1986年の
落合博満以来の栄誉を手にし、「どんな打者もこれを目標にやっていると思う。それを僕が獲れたことは本当にうれしく思う」。言葉に充実感がこもった。
チームが求めていた爆発力を、存分に発揮した。8月23日の
ソフトバンク戦(ZOZOマリン)では、同一シーズン2度目の1試合3本塁打をマーク。球団では4人目の記録となった。シーズン終盤にも9月1日からの
楽天3連戦(楽天モバイル)で3戦連発を放つなど、固定できなかった四番にどっしりと座った。
巨人から移籍した今シーズン。リーグが代わった序盤は苦しんだ。開幕から1カ月で本塁打は1本で、打率も.132(4月終了時点)と伸びず。それでも、内田臨時打撃コーチの指導を受け、タイミングの取り方と体を開かないフォームの改造に取り組んだ。
練習熱心で、夏場以降にその成果を見せる。好調のバロメーターという逆方向にも長打が出るようになり、ボール球もしっかり見極められるように。8月には月間8本。混戦の本塁打キング争いで遅れを取らず、
浅村栄斗(楽天)、
近藤健介(ソフトバンク)とタイトルを分け合った。
最終戦の試合後、福浦、村田両打撃コーチと喜んだ。
「『おめでとう』と言ってくれた。それよりも僕が彼らに対して感謝する気持ちのほうが強い。本当に彼らのおかげでしっかりここまでの成績を残すことができた。感謝の気持ちを伝えた」
心優しき大砲は、感謝を忘れなかった。
写真=桜井ひとし