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広島・デビッドソン 8月の輝き、9月の失速/助っ人通信簿

 

一発が魅力のデビッドソンだが、シーズン通じて波があった


 まだ逆転優勝の可能性がわずかに残されていた9月6日のDeNA戦(マツダ広島)の延長11回二死、マット・デビッドソンが豪快に初球をとらえた打球が右翼席に消えた。2004年に40発を放ったラロッカ以来の来日1年目の20号に王手をかける19号ソロは、来日初のサヨナラ弾。だが、その後の15試合は本塁打どころか安打も3本放っただけで、そのままレギュラーシーズンを終えた。

 17、18年にはメジャーで2年連続20本塁打の実績を誇り、メジャー通算54発の右の長距離砲への期待は大きかった。昨季のチーム最多17本塁打からの上積みが期待されたマクブルームとの助っ人コンビは、新井カープの打線を強力に支えるはず、だった。しかし、フタを開ければ2人とも長いトンネルから抜け出すことはできず。シーズン終盤には和製打線が組まれるほどだった。

 開幕直後は3カード連続の4本塁打を放ちながら、直後から長く低空飛行。5月中旬から約3週間、左肩痛による離脱もあった。8月は月間9本塁打と猛打を振るい、遅ればせながら日本野球に順応したかと思われたが、9月はシーズン通して最低の月間打率.121と失速した。

 新井貴浩監督は、時に自らバットを握って実践しながら直接指導に乗り出すこともあった。「彼は謙虚で素直な性格があって、日々、打撃コーチと練習して対策に取り組んでいる」と、辛抱強く助っ人を見守り続けた。出場112試合で規定打席にも及ばず、本塁打こそチーム最多の19本も、打率.210で44打点。期待に応えられなかったのは残念だ。

写真=BBM
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