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日本ハム・松本剛 選手会長が攻守走で存在感を発揮「ボスの考えがある程度読めていた」/これぞプロの技

 

走塁面でも熟練の勝負勘を生かし、チームに貢献している


 8月13日のソフトバンク戦(PayPayドーム)は、選手会長でもある松本剛の魅力が詰まった1勝だった。

 まずは守備で魅せた。約1年ぶりに中堅手としてスタメン出場すると、0対0の2回二死一、三塁の場面でビッグプレーを披露。今宮健太が放った左中間を破りそうなライナーの安打性の打球を好捕し、先制点を阻止した。「久しぶりにセンターをやって、ポジショニングを自分で結構いじれた。自分でも良いポジショニングだった」。あらかじめ、経験値から導き出した最適なポジショニングとして左中間寄りにシフト。想定どおりの打球が飛び、素早い反応で無駄なく打球を追い、チームのピンチを救った。

 そして走塁では自軍の先制点の起点となった。好守直後の3回の攻撃では、二死無走者から四球を選んで出塁すると、すかさず二盗に成功。マルティネスの先制14号2ランを引き出した。熟練の勝負勘が備わっているからこそ、的確な仕掛けで相手バッテリーにプレッシャーを与えられた。

 さらに周囲をうならせたのは5回の打撃だ。新庄監督が大好きな一死一、三塁のシチュエーション。サインはセーフティースクイズ、エンドランと目まぐるしく変わる中で「ボス(新庄剛志監督)の考えがある程度、読めていた。準備とリンクした打席になった」と「打て」のサインだった3球目で左前適時打を放って、試合の主導権を1人で奪ってみせた。

 酸いも甘いも経験して磨き上げてきた実力を攻守走で発揮し、存在価値の大きさを示す試合だった。

写真=BBM
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