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ソフトバンク・柳田悠岐 大一番でも見事なバットさばき/これぞプロの技

 

CSでも“変態打ち”で球場を沸かせた柳田


 主砲が“らしからぬ”技を見せた。10月15日のロッテとのクライマックスシリーズ・ファーストステージ第2戦(ZOZOマリン)。1対1の3回一死三塁の場面で柳田悠岐が、西野勇士の膝元へのスライダーを、体勢を崩しながらもしっかりとミート。左翼線へポトリと落ちる適時二塁打となった。打った瞬間、柳田本人は驚いた表情を浮かべ、二塁ベース上ではビリヤードの球を打つようなジェスチャーを披露した。「(バットの)先に当たったんで。ビリヤードみたいに(打てた)」と振り返った一打が結果的に決勝点となった。

 狙った一打ではなかったが、もしかしたら過去の経験が生きたのかも知れない。広島経済大時代はカラオケ店でアルバイトをしていた柳田。担当は店内のビリヤード場で、当時は友人らと遊んでいたという。球を突くキューを自在に操っていた技術がここ一番の場面で生きたかのような“変態打ち”だった。

 もちろん野球で培った熟練のバットさばきは健在で、プロ13年目、35歳を迎えた今シーズンは、3年ぶり2度目となる最多安打のタイトルを獲得。「この年でタイトルを獲れると思ってなかった。これからも頑張りたい」と笑みを浮かべた。チームは同第3戦で延長の末、3点差をひっくり返される悪夢の逆転サヨナラ負けでシーズンを終えた。「人生は甘くないんで。また少し休んで、来シーズンにリベンジできるよう準備したい」。4年ぶりのリーグ優勝、そして日本一を目指す来季。まだまだ大黒柱としてチームをけん引していく。

写真=高塩 隆
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