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ロッテ・角中勝也 窮地でも職人技/これぞプロの技

 


 巧みなバットコントロールと研ぎ澄まされた集中力。角中勝也には、職人という言葉が似合う。若い選手がそろうチームを、今季は何度もバットで救ってきた。

 土壇場で脅威の粘りだった。負けたらシーズンが終了するクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージの第3戦。緊迫した投手戦で9回を終えて0対0。しかし、延長10回にまさかの3失点。窮地に追い込まれた中、その裏、先頭の中村奨の代打で打席に立った。

 バットを短く握って、ノーステップでボールを待つ。三振は絶対にしない。そんな気迫の表れだった。カウント2-2から2球続けてファウル。7球目の厳しい内角の直球も見極めた。相手バッテリーが続けた10球目の直球を強いゴロで中前へ。

 沈んだ球場の雰囲気を盛り返すと、その後藤岡が起死回生の同点3ラン。そしてファイナルステージ進出を決めるサヨナラ劇につなげた。吉井監督は「角中を使わずに負けること嫌だった。粘ってくれた」と賞賛した。

 プロ17年目でも、進化を続ける。今季はキャリアハイの9本塁打。アーチが増えた要因を「力がなくなったから」と分析。経験をもとに、打席の中で打球方向をイメージ。上下の力の入れ具合も調整し、自ら逆方向に引っ張りにいくこともあるという。「ある程度ヤマを張ることも大事」と語る。

「他の選手がコーチから言われていることを聞いて、自分もやってみたり、雑誌の記事を見てやってみたりすることもある」。勝負強さは、探求をやめない姿勢から生まれる。

写真=湯浅芳昭
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