近年の“掘り出し物”と言えるのが菊地大稀だ。桐蔭横浜大から2022年に育成ドラフト6位で入団。同期17人のうち13番目だったが、今季はその中で最も輝いた。
「試合で投げていく中でうまくいったところと課題も見えて、充実したシーズンでした。去年よりも余裕を持ってマウンドに上がれたことは成長した部分かなと思います」
手応えを得た2年目の今季は50試合の登板で4勝4敗11ホールド、1セーブ、防御率3.40。終盤は僅差のリード時にも出番を与えられた。
ハイライトは9月7日の
ヤクルト戦(神宮)。1点リードの7回二死満塁で登板し、
長岡秀樹を右飛に仕留めた。この日で3連投だったが、疲れも見せず8回も続投。走者を出しながらも踏ん張り、1回1/3を無失点の好救援を見せた。“勝ちパターン”の一角として大仕事を果たし、「(先発の)赤星(優志)の勝ちを絶対に消したくなかった」と頼もしく語った。
1年目の昨年4月に支配下登録をつかみ、シーズンを通して16試合に登板。150キロを超すストレートと縦に落ちるスライダー、フォークボールを武器に、2年目はさらなる飛躍を遂げた。同期でドラフト1位だった
大勢が故障で苦しんだ中、同3位の赤星らとともに若い投手陣を象徴する1人になった。
新潟・佐渡島出身初のプロ野球選手としても知られる右腕。サクセスストーリーはまだ序章だ。
写真=BBM