週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

ヤクルト・並木秀尊 できることをコツコツと/ドラフト下位選手の今

 


 飛躍のシーズンとなった。2020年のドラフト会議で5位指名を受け、獨協大出身として初のプロ野球選手となってから3年。並木秀尊が成長した姿を見せた。今季は自己最多の82試合に出場。リーグ3位の15盗塁を決めるなど、自慢の快足で魅せた。

 「サニブラウンに勝った男に勝った男」や「パッキャオ」など足の速さやキャラクターを表すあだ名が先行していたが、プロ野球選手として結果でアピールした。今季は開幕一軍を勝ち取り、塩見が故障で離脱する中、交流戦明けとなる6月23日の中日戦(バンテリン)に「一番・中堅」で先発すると、そこから11試合連続安打と14試合連続出塁をマーク。同戦では3安打を放ってプロ初の猛打賞を記録し「何とか自分が塁に出ることを第一に考えて打席に立つ中で役割は十分に果たせた」とうなずいた。

 悔しさをかみしめ、努力を重ねてきた。5月24日の阪神戦(神宮)。1点リードの9回二死で、飛んできた右直が照明と重なり、見えずに後逸。直後に逆転を許し、高津臣吾監督からは「せめて体に当てるとか。何とかしてほしかった」と猛省を促された。難しい打球だったとはいえ、敗戦に直結したミスであったことは事実。並木は「自分自身で負けてしまった試合がある。もう過去を変えることはできない。何とか自分のできることをコツコツと食らいついてやっていく」と前だけを向いて進んできた。失敗を糧に、来季はレギュラーを奪取する。

写真=BBM
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング