プロ4年目の今季も雌伏の時となった。黒川史陽だ。一軍では9試合に出場し打率.091。1本塁打。初めて開幕一軍を勝ち取りながら、1年目の10試合よりも少ない自己最少の出場に終わった。
二軍では92試合出場で打率.307。イースタン・リーグで規定打席に到達した中ではトップの数字を残した。出塁率は.373。36四球を選び、課題の一つだった選球眼でも成長ぶりを示した。
二軍では確かな実績を残した182センチの内野手だが、一軍の首脳陣からは高い評価を得ることはできなかった。「二軍で1年間、悔しい思いをし続けた。(一軍で)使いたいと思わせるようなプレーがしたい」と意気込む。
1、2年目は、一軍の投手の球に慣れるので精いっぱいの印象があった。打撃も粗さが目立ったが、今季、二軍を指揮した
三木肇監督は「いろいろなケースを踏まえて、シンプルにプレーを選択するのが上手なタイプ」と、状況別のバッティングができるようになったとも評価する。逆方向への強い打球が増えたことも、頼もしさを感じる。
一方で期待の二塁手のレギュラー定着への道は平坦ではない。内野陣は層が厚く、二塁の定位置はあの
浅村栄斗。仮に浅村が指名打者で先発出場した場合でも、
小深田大翔らと争うことになる。守備力はもちろん、自信を持つ打撃でも磨きをかけたい。
今江敏晃新監督からも「そろそろ出てきて欲しい」と期待を掛けられる一人。勝負のプロ5年目の来シーズンこそ、飛躍のシーズンにしたい。
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