開幕スタメンをつかんだ男が、再び輝き始めた。3月31日の西武との開幕戦(ベルーナ)に一番・遊撃で野口智哉が先発オーダーに名を連ねた。オープン戦で結果を残しての抜擢に「あのときは本当にうれしかったですけど、なかなか(結果が)続かなかった。二軍に落ちてから、また頑張ろうと必死でした」と、小さく息を吐く。

　プロ2年目の今季はレギュラー定着とはならなかったが、76試合に出場して打率.226、2本塁打、19打点の成績を残した。リーグ3連覇を決めた9月20日のロッテ戦(京セラドーム)では、同点に追いついた直後の7回に右翼線へ勝ち越し適時打を放って拳を握った。

「ガムシャラでしたね。ヒットになってよかったです。ここで決めたらおいしいなと思って(打席に)行きました」

　言葉に力強さが戻り、再び目を輝かせた。

　本職は遊撃ながら、強肩を生かした守備にも定評があり、外野も守ことができる。10月28日に行われた阪神との日本シリーズ第1戦(京セラドーム)では九番・中堅で出場。第2戦は八番・右翼で出場し、3打数2安打1打点と躍動して存在感を示してみせた。

　11月16日から19日まで東京ドームで行われる『アジアプロ野球チャンピオンシップ2023』にも選出され、初めての侍ジャパン入りを果たした。「肩を生かした守備と、積極的に振れることが持ち味」と、日の丸を背負う舞台に意気込む23歳に、注目が集まるばかりだ。

写真=BBM}