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楽天・渡辺翔太 中継ぎでフル回転!/陰のチームMVP

 


 大卒新人とは思えないほど見事な働きぶりだった。今シーズンは51試合に登板し、プロ初勝利をマークするなど8勝3敗1セーブ、防御率2.40。リーグ4位の25ホールド、同2位の33ホールドポイントは、ともにチーム最多。中継ぎでフル回転した。

 チーム事情を考えても、正しい評価をされるべきだろう。ともに2022年シーズンで活躍した西口直人宮森智志らが序盤戦は絶不調。中盤戦まではリリーフ陣が打ち込まれて敗れた試合も多かった。

 石井一久監督はセットアッパーで様々な投手を起用したが、固定できず。守護神の松井裕樹にいかに回すのかが、課題の一つだった。

 その中でシーズン途中から「8回の男」として大車輪の活躍。7月25日の日本ハム戦(楽天モバイル)ではプロ初セーブもマークした。開幕直後は二軍だったが、食事面を見直すと同時に筋トレも行った。

 鍛え直した体から、最速154キロの直球とキレのある変化球を投じ、被打率は.175。その成長ぶりに、頼もしさを感じる試合もあった。

 守護神の松井裕樹は海外FA権を行使することを決断した。来年1月、その松井裕と合同自主トレを行う予定の右腕は、「まずは争いに勝ってクローザーのポジションに座れたら。クローザーをやれるんだったらやりたいですし、とにかくキャンプでいいボールを投げないといけない」と言葉に力を込めた。

 現状では、間違いなく守護神候補の一人。新人年の活躍に満足することなく、さらなる高みを目指す。

写真=BBM
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